四国自動車博物館

FIAT Dino 2000 Spider

1966年から1973年まで製造した高性能スポーツカーである。フロントに搭載されるパワーユニットはDino206GTと同じ『DinoV6エンジン』2000ccである。
1965年トリノ自動車ショーに登場し、翌年から生産開始された。ピニンファリーナによるデザインはフロントエンジンの古典的なプロポーションと相まって、Dino206GTとは違う魅力を持つ。 Dinoの中でもDinoGTの原案となったディノ・ベルリネッタ・スペチアーレに一番近しいデザインである。

エンジンはアルミ製シリンダーブロックを持つ1,987cc160馬力/7,200rpmで、最高速度は210km/hであった。 その後間もなく、ベルトーネによるデザインで2ドア2+2クーペが追加された。 1969年にはエンジンが2,418cc180馬力に強化され、シリンダーブロックは鉄製に改められた。この際スパイダーの場合車両重量が1,150kgから1,270kgに増加したが、排気量拡大と出力アップで最高速度は1,987cc版と同等、0-100km/h加速は1,987cc版の8.5秒から8.3秒と、若干ながら性能が向上した。これは1,987ccエンジンがフォーミュラ2のための規定生産台数を満たしたことからの変更で、フェラーリ製のミッドシップ車も同様の変更を受け、246GT/GTSに発展している。この際、リアサスペンションもフィアット・130と同じストラットとコイルの独立懸架に改められ、乗り心地・操縦性・接地性が改善された。なお、2,418cc版は生産もフィアットではなく、モデナ県マラネロのフェラーリ工場で行われた。

近年になって人気が高くなってきているが、当時は日本国内で正規デリバリーがなかったため、現在では希少な車種の1台ある。


specification
全長×全幅×全高 4110 ㎜×1700 ㎜×1270 ㎜ 生産台数 1133台
ホイールベース 2280 ㎜ 総排気量 1987 cc
エンジン Dinoエンジン V6型DOHC 車両重量 1150 kg
最高出力 160HP /7200 r.p.m. 駆動 FR