四国自動車博物館

TOYOTA MR2 "222D" [WRC Gr.S Prototype Model] / トヨタ MR2 "222D" [WRC Gr.S 試作車]

2023-2024 トヨタ博物館・富士モータースポーツミュージアムコラボ企画第二弾
*こちらの車両は期間限定の展示となります。

WRC Gr.Bの悲劇がもたらした、もう1つの悲劇
トヨタ幻のGr.Sラリーカー


1980年代半ば、後輪駆動のセリカTCTにてグループBに参戦していたトヨタだが、世界の主流は4輪駆動に移行していた。
そこで新たに次期マシンとしてMR2をベースに開発されたのがコードネーム「222D」である。 当初はグループBマシンとして開発していたが、FISA(国際自動車スポーツ連盟)は「連続する12ヶ月間に10台製造された車両」が公認されるグループSの創設を発表。
1987年からグループBからグループSへ移行することが決まり222DもグループS仕様として開発を続けていたが、ここでWRC史上有名な悲劇が起こる。

1986年5月2日WRCツール・ド・コルスにて、ヘンリ・トイヴォネンが駆るランチア・デルタS4が走行中に崖下に転落する事故が発生。トイヴォネンとコ・ドライバーのクレストが死亡した。
この事故後、FISAは1986年限りでのグループBの中止とグループSの白紙を発表するとともに、グループAをWRCの主役とすることを決定した。これを受け、トヨタも222Dの開発を中止し、新たにグループA車両としてMA70型スープラとST165型セリカGT-FOURを投入することとなった。

一度もレースを走ることなく、正式名称も与えられず消えていった幻の試作車222D。15台が製造されたが、現在3台のみ現存していると言われている。

SPEC
L x W x H [mm] 3,985 x 1,880 x 1,290 ホイールベース 2,470 mm
車両重量 1,023 kg 排気量 2,330 mm
エンジン トヨタ 3S-GE改
水冷直列4気筒DOHC
+ ターボチャージャー
総排気量 2,053 cc
最高出力 368 kW以上 / 500 ps以上 駆動方式 4WD [4x4] / 4輪駆動
サスペンション 前・後ダブルウィッシュボーン 生産台数 15台
[前期型 7台 / 後期型 8台]